
言葉はどこまで繋げられるのだろう。小説家の大前粟生さんによる短歌集『柴犬二匹でサイクロン』。柴犬にサイクロンが続く書名もですが、一首の中に思いもかけない言葉が続いていくことへの驚きと面白さがあります。
歌と読者のアンテナがカチッと合った時に広がる情景、感情は格別です。
【収録歌より】
この痣を月に結んで大丈夫とびひざげりの妄想をする
棺桶に詰められるならパフェに似た佇まいでと約束の夏
ポカリスエット突然に目減りして光の代わりに光が入る
晩年はふいに浮上すたとえば鳥たとえば歌の途中で焦げて
ほがらかな血液の流れ悲しみは取り除けないからめぐらしてみる
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