
新型コロナ肺炎の対応に、間も無く9年となる東日本大震災の頃を思い出している方も多いのではないでしょうか?
『孤塁』は福島第一原発のあった双葉郡の消防士達が震災発生当時、そして原発が爆発する中、いかに現状を把握しようとし、奮闘したかを本人たちの証言を基に綴るノンフィクションです。
地震、津波の発生により家族とも連絡が取れない中、時に「消防士は人を救助するが、家族を救助できるわけではない」という葛藤も抱えながら、避難誘導、搬送、救助、火災現場へ。
満足に寝る時間も十分な食料もない中、「壊れる事はありません」と説明されていた原発の爆発を目の当たりにし、放射線量の増加により県外からの増援隊も来なくなり、汚染された服を脱ぎ、素肌に直接防護服を身に纏い雪降る現場へと向かう。時にそれはフクイチの施設内にも。
機能しない情報集約基地オフサイトセンター。そこもまた撤退する事となり、福島市方面へ駆け抜ける要人を乗せた黒いクラウンとすれ違う原発方面へと進む消防士達。
ページを捲る度に何度も涙が込み上げてくると同時に怒りも湧いてきます。
賞賛も栄誉に浴する事なくとも、彼らのように奮闘した現場はあちこちにあったはずです。
その現場が死力を尽くしているからこそ、その活動を少しでも楽にするためにしかるべき人達が事態を想定し、準備をし、また対応しなければならない。その事の重要さ強く強く感じます。
読んで!まじで!
Today’s book is nonfiction about fire fighters of Futaba District, Fukushima, in the Great East Japan Earthquake. Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant located in this district.
The author interviews with about 70 fire fighters. This book is Precious and unknown records of this disaster.
