8月は終戦記念日もあり先の大戦を振り返る特集も多くみられると思います。中公新書『日本軍兵士』は先の大戦の意義や戦局の推移ではなく兵士に焦点を当て分析しています。戦没者の9割が1944年以降のものという考察や、徴兵検査の基準の大幅な緩和による平均体格、体力の低下や歯科治療などの医療、衛生体制の状況や軍隊内でのいじめなど多角的な方面から兵士達がどんな状況にあったかを記しています。
店主は自殺や餓死などの死亡率が高い事に戦慄を覚えますが、それ以上に途中で触れられる兵士の自殺のエピソードや戦争栄養失調症患者のイラストなどに言葉を失います。