「春が二階か落ちてきた。」という印象的な書き出しで始まる伊坂幸太郎の小説『重力ピエロ』。映画化された際にもこの書き出しはそのまま映画の冒頭で使用されました。仙台在住の作家による仙台を舞台にした本作は連続放火事件や謎のグラフィティアートの出現などを話の依り代に家族とか兄弟とか、辛い過去とか大切で時として深刻なことも「陽気に」綴られています。
店主は必ずしも散りばめられたいくつかの小話が伏線となって回収される事を望まないのですが、本作の一つの話に集約していく様は読んでいてとても気持ち良かったです。店主は主人公の両親がとても好きです。