猫は、うれしかったことしか覚えていない (幻冬舎)

現在、世田谷文学館で企画展が開催されているミロコマチコさんのクスリとしてしてしまうイラストとエッセイストの石黒由紀子さんの柔かな筆致で猫のお話が綴られている『猫は、うれしかったことしか覚えていない』。読んでて店主は20年連れ添った猫の事を思い出しました。家族のなかで僕が帰宅する時だけ玄関まで迎えに来てくれたり、冬は同じ布団で寝てたり。最後の時、家族みんなで順番に彼女を抱きしめて、ビクンビクンと体を震わす中、最後に店主が抱きしめながら「もう、頑張らなくていいんだよ」と言葉をかけたら腕の中の小さな体からスーッと何かが抜けていったことをよく覚えています。その時口から思わず出た言葉は「ありがとう」でした。

猫を飼うとソファーも壁もボロボロだし、噛まれたりひっかかれたりで生傷が絶えないけど「うれしかったことしか覚えていない」のはどちらかというと我々の方だよなぁと思いながらついつい読み進めていってしまう一冊です。

本の紹介のふりして店主の猫自慢になっているのは内緒です。