店主は時々、頼まれて家族写真を撮ることがあります。普段は父なり母なりが写真を撮るのでなかなか家族全員が揃った写真を撮る機会がないからというのが主だった理由だったりします。
けれど、やはり家族にしか撮れない写真というものは確実に存在します。石亀泰郎写真集『ふたりっ子バンザイ』に写る子供達は撮影者の存在を感じさせるどころか、その腕の中にいる安心感のような伸びやかさを感じさせます。「お父さんはいつも写真撮ってる」が彼らの日常の一部になっていて何の違和感もない日々。どれだけいつもカメラを持っていたのかを想像するとそのひたむきさには頭がさがる思いですが、他人の成長をこんなにも間近でじっくりと観れる機会ってそうないんだなということを気づかせてくれる一冊です。
