それからの僕にはマラソンがあった(筑摩書房)

「走る」というシンプルな行為の中には、多く学びがあるように思います。『それからの僕にはマラソンがあった』はこれから走る事を始めたい人に強くお勧めしたい本です。

著者の松浦弥太郎さんが走り始めたのは43歳の時。当時『暮しの手帖』編集長をしていて、そのプレッシャーによるストレスの逃避行動から走り始めたそう。まさにランニング初心者がどのようにして走るようになったのかが綴られています。自分の判断だけで勝手にこれだろうと思って買った服や道具などは全部役に立たなかったというエピソードや初めて連続して3キロ走れた時の達成感など。「こうすればランニングがうまくいく」という本ではないですが「あれ?走るってそんなのでいいの?」と日常の延長に走るが続いている事を感じさせてくれる1冊です。

「走る」からふと溢れてくる気持ち、考え。それらもまたとても興味深いです。でもそれって「走る」に限らず実は自らの日々の営みの中にもしっかりと息づいていて、だからこそ松浦さんの文章によって言葉にされた時に心にすとんと入ってくるのだと店主は思います。